著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(1)エンゲル係数はついに30%超え…加速する「食卓の劣化」

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 とくにコメへの支出は深刻で、24年から25年にかけて、年間約2万7000円から4万3000円と大幅に上昇しました。米価の高騰直撃により、弁当など炭水化物とカロリーが高いものへの支出も増えています。

 一方、野菜や果物、肉(赤身)、魚介類などへの支出はいまは横ばい、ないし微増にとどまっています。これらの食品はビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質、不飽和脂肪酸など、健康維持に欠かせない栄養素を豊富に含んでいます。しかしそれらも値上がりが続いているため、実質的な消費量、摂取量は減っていると言っていいでしょう。

 つまり最近の日本人の食事は、カロリーに偏り、必要な栄養素が不足する傾向にあると言えそうです。野菜や果物のビタミンやミネラルは、ここ数十年でかなり減っているという研究もあり、いまの日本人は、カロリーだけは足りているが、慢性的に「栄養不足ないし栄養失調状態」と指摘する栄養学の専門家もいます。

 とくに貧弱なのが学校給食です。管理栄養士が栄養価を計算して作っているとはいえ、ニュースなどの映像を見る限り、われわれの時代と比べて、質量ともにかなり落ちた感じを否めません。学校保健統計調査などを見ると、生徒・児童の身長と体重が減少傾向にあります。もちろん給食だけの影響ではありませんが、気になるところです。

 カロリー(主食)は削れないので、その他の食品を減らして、なんとか家計をやりくりしている。それが多くの家庭や学校給食現場の実態でしょう。食の問題に本気で取り組まなければ、高市首相が思い描くような健康な未来は難しそうです。 =つづく

【連載】高市一強で健康寿命は?

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