がん遺伝子検査について知る(2)早くに受けられれば生存期間が延びる可能性
■検査のタイミングについて議論
もし日本でがん遺伝子パネル検査が早く実施されたら、推奨治療に結びつく割合は高くなるのか? 2025年11月、国内6施設(京都大学、東京大学、東京科学大学、愛知県がんセンター、富山大学、和歌山県立医科大学)で行われた臨床研究「FIRST-Dxスタディ」の結果を京都大学が発表し、注目を集めた。
前出の通り、がん遺伝子パネル検査の保険適用の条件は「標準治療終了後」だが、「先進医療B」としてであれば、標準治療前でも、保険診療との併用が認められる。先進医療Bは、有効性・安全性が確立されていない最先端の医療技術について、保険診療との併用を認めながら臨床研究として実施する制度のこと。
「FIRST-Dxスタディ」では先進医療Bとして、がん遺伝子パネル検査を「標準治療を“行う前”」に実施した。対象としたがんの種類は、消化器がん、肺がん、乳がん、婦人科がん、悪性黒色腫。根本的治療である手術が不可能な、進行・再発がんの患者172例が被験者となった。
結果は、がん遺伝子パネル検査後にエキスパートパネルで推奨治療が見つかった割合が61%、実際に治療を受けた割合は25%(経過観察期間中央値25カ月時点)。従来の「標準治療終了後」では、推奨治療が見つかった割合44%、治療を受けた割合8.2%なので、早期のがん遺伝子パネル検査の実施で推奨治療への到達率が約3倍に増加した。


















