(3)急増する「適応障害」の実態…4年で1.7倍増
だが現場では、その前提が揺らいでいる。
「実際には、何に対する不適応なのか特定できないケースも多い。いくつもの要因が重なっていることがほとんどです」(富田健太郎氏)
職場環境か、人間関係か、業務内容か。あるいは体調の問題か。線引きは曖昧なままでも診断名はつく。そしていま、診断名が状態の説明にとどまらず、「休職の入り口」として機能している側面もある。診断がつき、診断書が出て、休職に入る。この流れが半ば定型化している。
もちろん、必要な休養は重要だ。だが問題は、「何が原因なのか」が十分に整理されないまま休職に入るケースが少なくないことだ。それは本人の意思だけで説明できるものではなく、環境や負荷の複雑な重なりの中で起きており、単純に「休みたいから」といったひとつの動機で説明できるものではない。
ここに、プレゼンティーズムとのズレがある。本来、プレゼンティーズムは「働いてはいるが力を発揮できない状態」を指す。支えるべきは「働きたいのに働けない」「このままでは働けなくなる人たち」のはずだ。


















