元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

「ホンダは豪州で強固なビジネスのネットワークを得る」

公開日: 更新日:

 豪州におけるサッカーラグビー、オージーフットボール、クリケットよりも人気面で劣る。

 本田のアシストでメルボルンVが今季初勝利を挙げた3日のニューカッスル・ジェッツ戦も観客は1万1000人台とやや寂しかった。

「秋(開幕)冬(閉幕)制のラグビーなどと差別化を図るために春夏制を導入しているが、集客は厳しい。より注目度を高め、観客数やスポンサー、テレビ放映権料といった運営基盤を拡大していくことが、Aリーグの大きな課題といえます。(創設して)25年間で10から54クラブに増えたJリーグは成功モデルです。ホンダ獲得がその起爆剤になればいい」

 コロシモ氏は豪州協会の思惑をこう代弁する。

 メルボルンV側も本田の経済効果に期待する。

 デルピエロ獲得に携わった現地在住の大物代理人であるルー・スティッカ氏の話が興味深い。

「デルピエロがシドニーFCでプレーした12~14年シーズンは、平均観客数が1万2000人から2万6000人に急増し、社会全体の認知度も高まりました。ホンダにも、それに匹敵する価値があるでしょう。加えて言うとメルボルンVには野菜と果物の売買、中国製ライトの輸入販売、住宅建設の分野で大成功を収めているビジネスマン3人が、クラブ幹部に名を連ねている。彼らにとってホンダは、ビジネス拡大の切り札になり得る存在なのです。ホンダ側も、豪州で強固なビジネスのネットワークを得ることになる。ウィンウィンの関係です」

 今季終了時点で本田のもたらす経済効果が、どうなっているのか? 大いに気になるところだ。 (つづく)

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