著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

川内優輝をペースメーカーに…大阪国際女子マラソンの詭弁

公開日: 更新日:

 これら特殊な大会から山下佐知子、有森裕子、高橋尚子、野口みずきら数々のメダリストが生まれ、ロザ・モタは「日本こそ女子マラソンのメッカ」と褒めちぎった。混合大会では男が女を引っ張り、複数の男子選手に囲まれて走る“ガードランナー”なる掟破りまで登場したからだ。

 一方、かつて「助力」と見なされていたペースメーカーは現在、事前公表を前提に公認されている。完走してもいいが、プロの時代にそんな無意味なことはしない。

 ただ、女子のレースに男子のペースメーカーを使うのは前代未聞。大阪の参加資格はこうなっている。

「2020年度日本陸上競技連盟登録者で……大会当日満19歳以上の女性競技者 ただし、ペースメーカーは除く」

 陸連登録者にかかっていたはずの「ただし」を今回は「女性」まで拡大し、レースの顔として人気の川内を据えたということ。規則違反ではないが、昔、ドラフト会議でこの手の裏ワザを使った球団があり、一般にこれを詭弁と言う。主催に名を連ねる日本陸連は輪をかけてこうも強調する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑