国内初の発売 注目の「配合剤」で糖尿病治療はどう変わる

公開日: 更新日:

■薬価は1錠300.3円

 一方、SGLT2阻害薬はHbA1c低下と共に、体重も低下させる。体重を増加させやすいといわれる他の糖尿病薬にSGLT2阻害薬を追加しても、やはり体重は低下する。尿にカロリーを排出し、脂肪の分解を進めるからだ。

肥満型にDPP―4阻害薬を投与する時は、肥満そのものを改善する薬と一緒の方が効き目が高い。体重低下にも働くSGLT2阻害薬と一緒に服用することで、それが期待されるのです」

 SGLT2阻害薬はブドウ糖をナトリウムと一緒に尿に排出するので、血圧低下作用にも優れている。非糖尿病と糖尿病で比較すると、後者の方が循環器疾患が起こりやすいが、その対策にも役立つ。

 配合剤の対象になるのは、2型糖尿病患者で、「DPP―4阻害薬(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)とSGLT2阻害薬(カナグリフロジン水和物)をすでに併用し状態が安定している患者」「前出の単剤で効果不十分な患者」のいずれか。副作用は、既存の知られているもの以外確認されていない。配合剤の薬価は1錠300.3円。2剤服用と比べて10割負担で約70円安くなる。

 糖尿病患者は高齢者が多く、ほかにも複数の薬を服用しているケースが珍しくない。配合剤の登場で、薬の管理がしやすくなるのは確かだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ