内臓5つ摘出も元気 建築家・安藤忠雄氏に聞く“生きる力”

公開日: 更新日:

 人生は何が起きるか分かりません。2009年、指揮者の小澤征爾さん(82)と「お互い体力だけが取りえですね」と冗談半分に話していたら、その直後にがんが見つかり、3カ月後、小澤さんもがんだと分かりました。自信過剰はよくありません。胆嚢、胆管、十二指腸を全摘しました。やっと回復したと思ったら、14年6月、主治医に「膵臓の真ん中にがんがある。大手術や」と宣告されました。

 7月10日、京都大iPS細胞研究所の山中伸弥さん(55)との対談を終え、翌朝8時から10時間、手術しました。後になって山中さんから「(手術することを)言ってくれたら」と気遣っていただきました。「できるだけ早くiPSで膵臓作ります」とも言ってもらいましたが、今はすっかり元気なので、もういりません。主治医に「5つも内臓取って生きていけるんですか」と聞いたら「生きている人はいますが、元気になった人はいません」と言われました。元気になった第1号です。

 なぜ、そこまで全力疾走するか。できる限りのことをやりたいからです。

 常に前を向いて新しいことを考え続けていると、元気になります。いいこともありました。病気をしてから、毎日、昼食後は1時間半休憩をとるようになりました。昔、最後まで読めなかった本、理解できなかった本を読む機会ができました。それがまた、私にとって「生きる力」になっているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情