場面緘黙症とは…歌って克服目指すソングライターが語る
徐々に知られるようになってきているのが「場面緘黙症」だ。専門家と経験者に話を聞いた。
場面緘黙症(選択性緘黙)は主に子供に見られる。家の中などでは話せるのに、幼稚園や小学校など特定の場所・状況では話せない。「尾山台すくすくクリニック」院長で児童青年精神科医の新井慎一医師は言う。
「大抵は幼児期や小学校低学年から始まります。不安によって『固まって声が出なくなる』との指摘もあります」
緘黙の程度は学校で全く話せないような子供から、教師の耳元で小さな声でなら話せる子供、“おとなしい性格”と見られている子供までさまざま。集団生活を送れず本人が苦しんでいるようなら「病気」と捉え、場面緘黙症の診療経験がある児童精神科医に相談した方がいい。ただし、場面緘黙症に関してわかっていない部分も多く、診断や治療がまだ一部の児童精神科医や心理学者によってでしか行われていない現状がある。
とはいえ、場面緘黙症には、「だれと」「どこで」「何をしている時」が大きく関係している。安心できる人・場所で、楽しいことをしている時には不安を感じにくい。