場面緘黙症とは…歌って克服目指すソングライターが語る
小学校3年生頃から、学校ではうなずくとか首を振るくらいしかできなくなりました。家族とはよく話していましたし、それまではそこそこ活発だったんですが……。話せなくなったきっかけはわかりません。
学校では萎縮して固まっている感じ。「臆病で情けないダメな人間だ」という劣等感もありました。だから親にも「学校で話せない」とは伝えていません。中3で自己紹介をみんなの前でした時、「声が小さい」とヤジが飛び、それがショックで全く話せなくなり、不登校になりました。
高校は通信教育です。今思えば、場面緘黙症の症状が続いていたのですが、大学に入ってちょっと話せるようになりました。今までみたいな狭い教室で同じクラスメートに囲まれ決まった席に座るんじゃないことで、プレッシャーがなくなったんです。自分から話しかけたり、会話を続けたりというのは無理でしたが、小さな声だけど、次第に話しかけられたら答えられるようになりました。
ボーカルスクールに通いだしたのは26歳の時。ずっと通いたくて、でも踏み出せなくて、ようやくマンツーマンで2年間ボイストレーニングを受け、初めて発表会に出た時は、味わったことがない緊張感を覚えました。でも、好きだから、歌をやりたいからという気持ちの方が強かった。それから徐々に人前で歌うようになりました。