著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

白血球の2割~4割 病原体を攻撃する「リンパ球」の機能

公開日: 更新日:

「MHC(主要組織適合遺伝子)クラス1」と呼ばれる細胞膜表面の分子で細胞の性格が分かるので、T細胞はこれで正常の細胞と悪性腫瘍や感染細胞とを区別できます。MHCクラス1分子が少なかったり、欠如している場合は、T細胞の攻撃から免れる可能性もありますが、NK細胞がこれを破壊します。ナチュラルキラー細胞という名称は、MHCクラス1分子がない異常細胞を殺すために、前もって刺激される必要がないことから名づけられました。

「B細胞」は液性免疫を担います。細菌やウイルスのような異物が侵入しますと、ヘルパーT細胞(Th2)の指令で免疫グロブリン抗体を作り、病原体を攻撃します。

 風邪の原因となるコロナウイルスには細胞性免疫が働きますが、新型コロナウイルスのSARSやMERSではT細胞そのものまで破壊されることがあります。新型肺炎ウイルス感染ではT細胞活性はあるようですが、重症化するとSARSと同じようにすべてのリンパ球が傷害されます。

「T細胞」と「B細胞」の機能は、こればかりではありません。活性化後に、さらに「メモリー細胞」としての機能も備えています。個々の特異的病原体に遭遇したことを記憶に残し、再び同じ病原体を発見すると、強力かつ素早い応答を開始します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃