著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

日本語における「相づち」は単なる応答ではない…共感の手段

公開日: 更新日:

 お隣の中国でも相づちは存在するのですが、中国語での相づちの頻度は日本語の2分の1程度とされています。しかも、日本語の相づちは「聞いている」「理解している」という信号を送る機能としての役割を持っていますが、中国語の相づちは主に賛意を表す場合に使用されるといいます。 日本語のコミュニケーションにおける相づちは、心の距離を縮める方法として有効なのに対して、中国語の相づちはそれほど重視されていない傾向がある。こうしたことからも、日本の相づちが独特なものだと分かるのではないでしょうか。

 ただし、単調な相づちを続けるのはNGです。「なるほど」とか「すごい」といった相づちを連続すれば、話し手は「話を聞いていないのではないか」といった印象を受け、心理的距離は離れていってしまいます。

 興味深いことに、相づちはチャットツールでも役割を持つという点です。お茶の水女子大学の倉田の研究(2018)によれば、LINEなどでも感情を表すためにスタンプなどで相づちを入れると明らかにしています。

 表情や身ぶり手ぶりのない、いわゆる非言語情報が欠如するLINEでは、相づちの代わりにそういったバーチャルな相づちで積極的に会話に参加している。相手のメッセージの直後にポストされる「直後のバーチャル相づち」は同期性を高めるために単独で送信される傾向が強く、しばらくしてからメッセージに対してポストされる「非直後の相づち」は、実質的な内容を表すレスポンスとともに送信されることが多いとも述べています。

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