避難所の必需品「段ボールベッド」は災害関連死につながる睡眠不足を防ぐ

公開日: 更新日:

 復興庁が東日本大震災で認定された1632人の災害関連死(2012年3月31日時点)のうち1263人に対して調べたところ、約51%が「避難所等における生活の肉体的・精神的疲労」が原因で亡くなったという。その中には睡眠状態の悪化が原因の被災民も多かったはずだ。

 そこで、被災地での安眠確保の手段として注目されているのが「段ボールベッド」だ。東日本大震災発生直後に考案され、2016年4月公表の「避難所運営ガイドライン」にも推奨の記載があり、全国の自治体での導入が進んでいる。

 その有効性は多くの研究機関でも明らかにされている。例えば日本赤十字北海道看護大学などの研究では、冬季に体育館内にテントを張り、ジェットヒーターやアルミマットなどの防寒対策をして睡眠を試みたが寒さで眠れなかった。しかし、段ボールベッドを使用すると90%の参加者が眠れ、うち20%が熟睡できたと報告している。

■個人で購入するといくらかかる?

 2020年以降の新型コロナ大流行も地方自治体導入への後押しとなったものの、その数は十分とは言い難い。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます