著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【焼き芋】寒い季節に欠かせないスーパーフード…おいしさの秘密は「デンプンの糖化」

公開日: 更新日:

 焼き芋は日本の秋冬の風物詩として広く親しまれており、その歴史は江戸時代にまでさかのぼります。さつまいもはもともと南米が原産ですが、日本には17世紀後半に中国経由で伝わり、特に九州地方で栽培が始まったといわれています。

 飢饉対策としてその栄養価が重視され、江戸時代には全国的に広がりました。その後、江戸の町で露天商による「焼き芋」が販売されるようになり、庶民の手軽なエネルギー源として定着したのです。今でも、焼き芋を焼く際の独特な甘い香りには引きつけられてしまいますよね。

 さて、そんな焼き芋のおいしさの秘密は「デンプンの糖化」にあります。さつまいもにはアミラーゼという酵素が含まれており、加熱することでデンプンを糖に変える作用が活発になります。特に低温でじっくりと加熱することで酵素の働きが最大限に発揮され、独特の甘さとホクホクした食感が生まれるのです。

 この調理方法は江戸時代から受け継がれ、現代に至るまで人々を魅了し続けています。電子レンジで加熱する方があまり甘くないのは、そのせいなんですね。

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