不妊外来から見える治療の現状(3)検査の段階から男性の受診が不可欠

公開日: 更新日:

 大石先生の臨床体験でこんなことがあったそうです。1人で受診した女性はさまざまな検査をしても異常が発見されず、原因が不明でした。最後に夫の検査をしたところ、精子の異常が見つかり、男性側に原因があったことが判明しました。

「もし、夫婦で受診し、最初から精液検査をしていれば、原因が早く特定でき、不必要な検査をせずにすみました。女性の負担も軽くなり、時間も費用も節約できたはずです」

 不妊治療を効率的に行うためにも、カップル受診は必須といえるでしょう。

 男性の不妊の原因には乏精子症(精子の数が少ない)、精子無力症(精子の運動が十分でない)、無精子症(精液中に精子がいない)、精子奇形症(奇形の精子が多い)などがあります。こういった精子に異常がある原因はさまざまで、なかには手術が必要な場合もあります。

「男性不妊は不妊外来で対応できることもありますが、泌尿器科の生殖医療専門医の受診が必要となることも多い。連携して治療を行うことが重要です」

 大石先生によると、日本には泌尿器科の生殖医療専門医が少ないそうです。男性の不妊治療の充実が望まれます。 =つづく

(医療ジャーナリスト・油井香代子)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも