(4)31歳の女性は「甘えなおし」療法で摂食障害を克服した
「カウンセリングでは愛情を表す接し方、抱きしめるなどスキンシップをするよう促しました。再養育療法では、父親が母親をサポートする必要があるのですが、父親がいないため私と集団カウンセリングの参加者たちが、父親の役割を担い、より効果を得られたのです」(小野所長)
集団カウンセリングで、母親は娘に対して愛情を示さなかったことを自覚し、娘への対応を変える必要性を痛感したそうです。
母親の変化でBさんも積極的にカウンセリングを受けるようになりました。個人カウンセリングでは、小野所長が母親としての役割(寄り添い受容する)をしました。子どもの頃から、自分をそのまま肯定し、受け入れてもらった経験がなかったBさんは、初めて「自分は受け入れられ、愛してくれる人がいるという実感を持てるようになった」と言います。
また、集団カウンセリングで「自分が母親に意見を言えなかったことのおかしさに気づき、反論してもいいことが分かった」そうです。
Bさんは母親から解放され、共依存を乗り越え、自己肯定感を持てるようになりました。それと共に行動にも変化がみられるようになり、アルバイトを始めたのです。