災害時に要介護者が入所できる「福祉避難所」を確認しておきたい
運営方針は元の生活に戻るための支援として「お世話するのではなく自立を促す」「できないことだけお手伝いする」ことが基本。ボランティアにもこの方針を徹底した。
もちろん本格的な介護や医療が必要な人は介護施設や病院に移送しなければならない。これも災害規模が大きいほど調整は難航し、まずは地元、次に県内や隣県。それでも足りず関東や関西からの協力を得た。
実際、石巻市では全国各地の福祉施設などから「ウチで受け入れできます」「こちらから迎えに行きます」「費用はすべて無料です」との申し出が多く寄せられた。ところが「住み慣れた故郷から離れたくない」と本人や家族がかたくなに拒否するケースが多く、地元の福祉避難所を閉じることができたのは約200日後のことだった。
このような前例から考えると、高齢者とその家族は地元の市区町村が災害時の避難計画をどこまで立てているのか。介護問題があるなら福祉避難所の受け入れ方針なども確認しておきたい。そして何より、どの避難所でも「自分でできることはやる」との心構えが大切なことを覚えておこう。