「富裕国の平均寿命100歳はムリ」は本当か? 米国で論文報告
その結果、100歳までの生存率は男女ともに低くなると結論付けている。ちなみに将来の女性の出生時の平均余命が110歳になるには、女性の70%が100歳以上生きたうえで、女性の6%が150歳以上生きる必要がある。つまりは現時点で考えると、ほとんど不可能だということだ。
「確かに人の生物学的寿命の限界近くにきていて、いまの段階では高齢者医療による寿命の延長は多くは望めないかもしれません。しかし、私自身は、寿命はこの先さらに延びていくだろうと思っています。
『老いは治療法のある病である』との認識が世界中の医療関係者の間に広がっていて、老化遺伝子やそれに働きかける薬剤の開発、老化細胞除去法や臓器移植法の技術的進化が進んでいます。なにより、寿命を短縮させるストレスのもととなる、貧困や不平等、健康知識や医療の地域格差、戦争や紛争を解消するための社会システムが進展しつつあると考えるからです」
米国の有名なSF作家は、「輝かしい経歴を持つ年配の科学者が『何かが可能だ』と語るとき、ほぼ的中する。その人物が『何かが不可能だ』と語るとき、その言葉は十中八九外れる」と語ったという。
いまは不可能に見える寿命の延長も、これから科学技術や社会制度が進展すれば、可能になるに違いない。