世界中で急増する「撤回論文」…医学論文は最終結論ではない

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 調査の結果、学術論文の撤回件数は経時的に増加しており、年次件数の増加率は20年以降に大きく増加していることが分かっている。20年は、新型コロナウイルスや同ウイルス感染症に関する論文が急増したタイミングでもあり、コロナウイルス関連の論文の中には、撤回された論文も少なくなかった可能性を示唆している。

 また、論文を執筆した全著者の所属国や地域情報に基づいて、撤回論文の国別件数を調査したところ、中国が1万7885件と他の国や地域を圧倒しており、2位の米国(2779件)を大きく引き離していた。一方、論文の執筆において最も主要な知的貢献をした研究者、すなわち第1著者(ファースト・オーサー)の所属国や地域情報に基づいて撤回論文の件数を分析し直すと、日本が6位に上昇した。

「つまり、日本では特定の著者による論文の撤回数が多いことを示唆します。ただし、論文の撤回が必ずしも研究不正に結びつくわけではないことに注意すべきです」

■世界ワースト3に2人の日本人

 科学技術・学術政策研究所の調査でも用いられた「リトラクション・ウオッチ・データ」には、撤回された論文が多い研究者(論文著者)も公開されている。25年8月26日付の最新データによれば、撤回論文が最も多い研究者はドイツ人医師のB氏で222件、次いで日本人医師F氏の172件、そして同じく日本人医師のS氏の124件が続く。

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