長嶋茂雄は「プロなんてちょろい。全然大したことありません」と言ってのけた

公開日: 更新日:

 大変だったのは、シーズンが開幕してからだ。当時はエースの藤田元司さんが右肩を壊し、別所毅彦さんもこの年を限りに引退する。新人の私は事実上のエースとなり、セ・リーグ最多の69試合に登板。新人最多勝記録の29勝(18敗)を挙げ、最多勝のタイトルを獲得する。

 こう書けばカッコいいようだが、並大抵のしんどさではない。先発と抑えの両方をやって、先発完投が26試合、途中から最後まで投げ切った交代完了がそれより多い31試合にも上っていた。

 おかげでオールスター戦のファン投票ではダントツの1位。やれうれしやと大喜びしていたら、前半戦の終盤にきてケガに見舞われる。左足の靴ずれのあとにバイ菌が入り見る見るうちに腫れ上がってしまった。「破傷風の恐れがある」との診断で逓信病院に10日間入院し結局球宴には出られずじまい。入院中は看護婦の母子手帳に随分サインさせられた覚えがある。

 後半戦最初のゲームは阪神戦で、いきなり無死満塁のピンチでリリーフ登板。3者三振に切って落としたら、今度は阪神にもマスコミにもシャミセン呼ばわりされた。今ほど新聞や週刊誌の多い時代ではないとはいえ、週刊ベースボールにまで「堀本、足の故障はシャミセン?」と書かれたのだからヒドい話である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  2. 2

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  3. 3

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  4. 4

    小嶋陽菜はブランド17億円売却後に“暴漢トラブル”も…アパレル売れまくりの経営手腕と気になる結婚観

  5. 5

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  1. 6

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  2. 7

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  3. 8

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 9

    「仮面の忍者 赤影」で青影役 金子吉延さんは週5日の病院通いで「ダイジョーブ?」

  5. 10

    また日本中がブラック企業だらけになる…高市首相が案の定「労働時間規制」緩和指示の醜悪