著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病の専門医が警鐘「健康にいいから食べる」の落とし穴

公開日: 更新日:

 不飽和脂肪酸であるDHA、EPAは認知症予防に役立つとさまざまな研究で証明されているものの、薬と同程度の効果を得ようと思ったら、かなりの量を食べなくてはならず、食べ過ぎにつながります。だからといってサプリメントで取ればいいというものでもないでしょう。

 DHA、EPAをたくさん取ると認知症が少ない――といった研究結果は、魚を日常的に取っている人を長期間にわたって調べたもの。食べるもので一朝一夕の効果を求めるのは間違っています。

 せっかく「食」を変えようと思ったなら、①長く続けられる方法で②健康効果がいいという根拠があるものを。小魚をおやつ代わりに取り入れるのはお勧めしませんが、魚がメインの和定食を日常的に取り入れるのは大賛成です。ただし、塩分は控えめに。

 どういう食べ方をするか。毎日続き、それがほぼ生きている間続くのですから、体に与える影響は大きいです。突然ヨーグルトを食べ始めても、目に見えて健康にはならないように、普段から規則正しい、バランスのとれた食生活を続けている人が、たまたま同僚に誘われてラーメンを深夜に食べたからといって、高血圧になったり肥満になったりしないでしょう。問題なのは、「深夜にラーメン」「寝る前のスナック」が日常化してしまうことです。

 そしてもっと問題なのは、この連載で何度もお話ししていますが、“若気の至り”と思っていた間違った食習慣が、その後きちんと正しても、「負の遺産」として人生に悪影響を及ぼし続けることです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  2. 2

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  3. 3

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった

  4. 4

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  5. 5

    ASKAや高樹沙耶が参政党を大絶賛の一方で、坂本美雨やコムアイは懸念表明…ネットは大論争に

  1. 6

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 7

    世良公則、ラサール石井…知名度だけでは難しいタレント候補の現実

  3. 8

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  4. 9

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 10

    フジの「ドン」日枝久氏が復権へ着々の仰天情報! お台場に今も部屋を持ち、車も秘書もいて…