著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「蚊アレルギー」強い皮膚症状の原因はEBウイルスにあり

公開日: 更新日:

■かつては予後不良だった蚊アレルギー

 1980年代までは原因が分からないまま、皮膚科的な対症療法が行われていました。皮膚症状は抗炎症剤などを投与すると一時的によくなるのですが、また蚊に刺されると同じ症状の繰り返しになります。進行すると、38度を超える高熱が出ることも少なくありません。そうこうしているうちに、患者の大半が悪性リンパ腫や白血病に罹って、亡くなってしまうのです。そのため、「蚊アレルギーは予後不良(助からない)」と言われていたほどです。

 実はEBウイルスは、アフリカ人に多い「バーキットリンパ腫」というがんから発見されたもので、人のがんを引き起こすウイルスの第1号として知られています。CAEBVも、悪性リンパ腫や血液がんなどを引き起こす点では共通しています。

 そのため治療も血液がんに準じていて、主に抗がん剤治療と骨髄移植の2つからなります。まずステロイドなどで全身の炎症を抑えた後、複数の抗がん剤を使って悪性細胞の数を減らしていきます。次に抗がん剤を大量投与して体内に残っている造血細胞を全滅させた後に骨髄移植を行うのです。現在は治療法がかなり洗練されてきたため、7~8割の患者が長期生存できるようになっているようです。

 蚊アレルギーはCAEBVのサインです。子供が蚊に刺されて皮膚炎が長引くようなら、一度、皮膚科や血液内科で診てもらうのがおすすめです。一方、大人のCAEBVは数えるほどしかいませんから、蚊に刺されて他人より少し痒かったり腫れたりしても、あまり心配する必要はなさそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈47〉気仙沼ちゃんは民宿4軒経営の大女将に 説教してテレビで夫を募集させた甲斐があった

  2. 2

    阿部慎之助にした「今ならパワハラで即クビ」の指導&落合博満から学んだ仰天トレーニング

  3. 3

    モグライダーともしげが埼玉の中高一貫ミッションスクール聖望学園で打ち込んだアメフト《26年夏番外編》

  4. 4

    千葉秋季大会開幕も専大松戸が「来春センバツを狙う」と宣言できない切実なチーム事情

  5. 5

    萩本欽一〈46〉斉藤清六が泣きながら持ってきた1000万円、追い返そうと思って貯金額を聞いたら驚いた

  1. 6

    広島4番栗原に敵将・落合監督は「四球でいい」と助言を…

  2. 7

    timelesz猪俣周杜「傷害容疑で逮捕」に“ダブルでガッカリ“…ファンの計り知れない失望

  3. 8

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  4. 9

    萩本欽一〈45〉斉藤清六を全国区にした誰も知らない裏話 “弟子入りNG”から評価を一転させたんです

  5. 10

    4度結婚した宇野千代の“不倫”をNHK朝ドラ「ブラッサム」はどう描く?「カーネーション」は真正面から