著者のコラム一覧
西内義雄医療・保健ジャーナリスト

医療・保健ジャーナリスト。強みは各地に顔見知りの保健師がいること。両親&義両親の介護・看取りを経験。

親の「悪いところがないから大丈夫」は鵜呑みにしない

公開日: 更新日:

 母はいつも健康に気を使い、骨粗しょう症対策として小魚や牛乳を積極的に取り、骨を強くする食事をしていると話していたからだ。要するに、本人の思い込みによる「自称健康人」だったわけで、しっかり検査を受けたこともないのに、「毎日歩いているから足腰は丈夫」「牛乳とカルシウムを毎日食べているから骨も丈夫」のように考えていたわけだ。

 高齢者の思い込み的な思考はよくあることだが、たとえ本人に何らかの不安要素があったとしても、子供に心配かけたくないからと口に出さない。自称健康人ほど病院に行きたがらず、健診を受けても結果をしっかり理解できない(医師の忠告を聞き流している)ため、病気やケガに至ってしまうこともある。

 事実、圧迫骨折判明後に主治医と深く話をしたところ、もっと早く骨粗しょう症がわかっていれば、投薬や注射による骨の強化もできたし、入院などで認知症が進むリスクも抑えられたのでは、との話もあった。

 参考までに、2019年の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)では、介護が必要になった(介護認定された)人の原因トップ3は男性が脳血管疾患、認知症、高齢による衰弱の順。女性は認知症、骨折・転倒、高齢による衰弱の順だった。

 母は5年前の骨折により介護問題が一気に進行した。高齢の親の健康に関する言葉は鵜呑みにしない。離れて暮らしているなら、なおさらだ。タイミングを見て、「本当に健康?」と確認するべき。ただし、しつこく言い過ぎるとうるさがられ、本当のことを言わなくなる可能性もあるので、あんばいも大事。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった