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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

プロレスラー橋本友彦さんが公表…「肝臓がん」で手術できないケースの治療法

公開日: 更新日:

 橋本さんがどのケースなのか分かりませんが、主治医に治療の難しさを伝えられると、頼りにしたセカンドオピニオンの医師にも同じことを告げられたため、東洋医学に望みをつないだということです。

 しかし、アテゾリズマブとベバシズマブを併用する治療法は、切除不能な肝臓がんの第1選択です。これが使えないとなると、転移が多く、肝機能がよくなかったのかもしれません。

 また、放射線治療のひとつである粒子線治療は手術が難しい、あるいは不適応の肝臓がんへの治療が認められています。保険適用です。これも多発していたりすると、残念ながら使えません。

 肝臓がんの原因は、ほとんどが肝炎ウイルスの感染で、実に8~9割。特にB型とC型の肝炎ウイルスです。脂肪の蓄積やアルコールの影響もありますが、全体として多くはありません。

 これらの感染を放置して肝炎が進行すると、肝臓の細胞が線維化する肝硬変を発症。肝硬変からさらに肝臓がんになるのが典型です。肝臓がんで肝硬変を併発する割合は8~9割に上ります。

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