(1)アルコールで年間3万人が死亡…本人に自覚がなかった30代男性
大石院長は1991年に依存症専門クリニックを開設し、アルコール依存症患者を数多く診てきました。国立精神・神経医療研究センターの2023年推計では、アルコール使用障害(依存+乱用)は国内で約430万人。なかには依存症の自覚がないまま悩んでいる人も少なくありません。
大石院長の臨床経験では、肝機能の悪化から初めて依存症とわかった30代男性の例もあったそうです。
この男性は就職後に同僚と酒を飲む機会が増え、飲みすぎることもありましたが、酔って暴れたり、遅刻欠勤したりすることもなく、酒で仕事に問題を起こすこともありませんでした。そのため、まさか自分がアルコール依存症だとは思ってもいなかったそうです。
ところが、会社の健康診断で肝機能の悪化を指摘され、クリニックを受診してアルコール依存症であることが判明したといいます。
「アルコール依存症は身体への悪影響が大きく、肝硬変、膵炎、心疾患、認知症、うつ病など全身の臓器をむしばみます」(大石院長)
実際、アルコール性肝疾患による死亡は年間5000人を超えています。さらに、飲酒はがん、心疾患、事故、自殺など多くの死亡要因に関与しており、アルコール関連死全体は年間約3万人に上ると推計されています(厚労省「人口動態統計2022年」「『アルコール健康障害対策推進検討会』資料2023年」)。


















