著者のコラム一覧
王瑞霞医学博士、中医師、鍼灸師

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

漢方や鍼灸は西洋医学に比べ保険適用が難しいのはなぜなのか

公開日: 更新日:

 では、なぜ保険適用外になるのか? そもそも、現在日本では科学的根拠に基づく医療が基本となっており、保険適用となると、その有効性や安全性を裏付けないといけません。

 東洋医学には長い歴史の中で使用してきた膨大な実績や経験がありますが、いざその有効性を現代医学の手段や手法で証明しようとした場合に、必ずしもよい結果になるとは限りません。それは、症状が同じでも、患者さんの体質、そのときの状態などによって、効く・効かないが異なるからです。

 つまり、東洋医学は西洋医学に比べ有効性と安全性の裏付けを取るのが難しいのです。例えば、多くの人が風邪に効く実感を得ている漢方処方の葛根湯は、風邪の初期において症状の進行を抑える有効性では、総合感冒薬と比較して有意の差がないという意外なものとなっています。

 現在、日本東洋医学会は漢方薬の有効性などに対する科学的根拠の解明を推進しており、多くの医療関係者が日々研さんされています。今後そんな東洋医学の特徴を踏まえた上に質の高い臨床試験がますます行われることを期待したいです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択