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六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

中国の“ピッチ縮小”姑息手段も跳ね返す!森保JのW杯予選独走を支えるFW小川航基の得点力とセットプレーの得点増

公開日: 更新日:

上田綺世との1トップ争いが楽しみに

 ともあれ中国戦の1点目、久保の左CKに合わせたゴールは、お見事というしかなかった。

 ゴールから離れた地点から、勢いをつけて走り込んでのヘディングではなく、スタンディングからジャンプしてのヘッドにもかかわらず、ゴールネットにズバッと突き刺さる強烈なシュートだった。

 よほど背筋が強くなければ、あんなに強いシュートは打てない。27歳という年齢は、決して若くはない。それでも「遅れてきた大器」が覚醒しただけに今後の上田との1トップ争いが楽しみになった。

  ◇  ◇  ◇

 狭められたピッチ幅に南野や中村が手こずったことは前述した。

 ところが、南野に代わって登場した鎌田大地(28=クリスタルパレス)は狭いピッチ幅をまるで苦にしなかった。ピッチ中央、サイドと自在に動きながらゲームをコントロールするタイプだからだ。

 一気のドリブル突破でカウンターを仕掛けることもあるが、基本は1タッチ、2タッチでボールを動かすことで攻撃の潤滑油となる。

 ポジショニングも絶妙のひと言だ。相手のプレスを受けている味方からさりげなくパスを引き出したり、相手がパスを出したいエリアをいち早くケアすることで攻撃を遅らせたり、ボールに関与していなくても際立った存在感を示した。

 直近の中国戦では、攻撃になかなか絡めなかった田中碧(26=リーズ)を、投入された鎌田が下がり目のポジションを取ることで前方に位置取りをさせ、田中から効果的なプレーを引き出すことによって日本の攻撃を活性化させた。 

 田中とボランチのコンビを組んだ遠藤も、鎌田が入ったことの恩恵を感じたことだろう。

 北中米W杯最終予選は残り4試合。2025年3月30日のホームでのバーレーン戦から再開される。

 森保ジャパンの戦いぶりを期待しながら待ちたい――。

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