著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

日本人の「出る杭は打たれる」は本当だった…誰かが突出することを恐れる

公開日: 更新日:

 こうしたゲームを10回×2セット行ったわけですが、とてもシンプルなゲームですから、毎回10ドルをかけるのがもっとも儲かる方法となります。毎回10ドルをかけることがAさんもBさんも手っ取り早くお金が増えるかけ方です。

 この実験を、2002年に西條らは今度は日米比較で行ったのですが、日本人の参加者は、ゲームによってあえて0~9ドルをかける人が一定数いたといいます。

 つまり、10ドルかけたAさんの取り分が減るケース②のように、たとえ全体的に自分(Bさん)の取り分が減るとしても、味方であるAさんの持ち金が減るような懲罰的な行動をするケースが散見されたというのです。

 こうした行動を取り続ければ、当然、パートナーであるAさんは不快感を示します。そのため、実験が進むにつれ、協調的に振る舞う日本人被験者が増えたといいます。批判されることを恐れて、同調・忖度するようになった──。なんとも私たち日本人にとっては耳の痛い結果が示唆されたのです。

 日本人は、独特の特徴を持っています。仲間意識を持ちながら、誰かが突出することを恐れ、ときに足を引っ張ることもいとわない。「出る杭は打たれる」のは、日本人ならではともいえるのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”