著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

日本人の「出る杭は打たれる」は本当だった…誰かが突出することを恐れる

公開日: 更新日:

 誰かが飛びぬけた成果を出すことを恐れるあまり、仲間意識を求め、同じ目線を期待する。日本人のそうした意識を示唆する研究が存在します。

 大阪大学の西條と福島大学の中村が行った実験(1995年)では、日本人被験者は米国人被験者よりも「自らの利益を減らしてでも、相手に利益を与えない」と振る舞う行動を選ぶ割合が高かったそうです。

 この実験は、2人1組で行われる投資ゲームで、初期資金として10ドルを与えた条件でスタートし、10回×2セットを繰り返します。参加者は0~10ドルの範囲で任意の金額を投資できるのですが、2人の投資額の合計に1.5倍をかけた金額が、2人に均等に分配されます。

 例えば、AさんとBさんがそれぞれ10ドル投資をすると、合計額は20ドル。1.5倍をかけると30ドルとなり、AさんとBさんにそれぞれ30ドルが支払われる。双方とも手元の残金はゼロですから、30ドルが持ち金となります(ケース①)。

 次に、Aさんが10ドル、Bさんが0ドルだった場合は、合計額は10ドル。1.5倍をかけると15ドルとなり、AさんとBさんには15ドルが支払われます。しかし、Aさんは10ドルを捻出しているため、手元に残金はなく、支払われた15ドルのみが持ち金となります。一方、Bさんは投資額が0ドルだったため、手元に10ドルがあり、支払われた15ドルと合算すると25ドルの持ち金があるということになります(ケース②)。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー