障害のある人が就労に困った時、「誰に」「どこに」相談できるのか?
一人一人が働きやすい環境をつくっていける職場が、長く働けるための鍵となります。障害によって孤立する社会ではなく、障害があっても「働く」「活躍する」を選択できる街づくりが必要です。それには、街中に困ったときに頼ることができる施設がたくさん必要なのです。
医療機関では、機能面やADL(日常生活動作)の改善だけでなく、「働く」という選択肢を視野に入れた退院と支援が必須です。それがないと、退院後の可能性が狭まってしまいます。直接支援ができない場合は、就労移行支援事業所に相談してつなぐことです。65歳未満の患者さんは就労をあきらめてはいけません。
行政は、高次脳機能障害の注意障害や記憶障害のように“外から見えない障害”を抱えた方々への専門的就労支援の必要性と有効性の理解がもっと必要です。障害があっても、働いて地域貢献ができる街づくりと制度が欠かせません。
当事者、医療機関、就労支援機関、行政がチームとなり、就労系サービスの周知やネットワークづくりが大切です。それが2018年に制定された脳卒中・循環器病対策基本法の役目だと思います。
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