3秒に1人が転んでいる…高齢者の救急搬送の8割は「転倒」が原因 骨折しやすい箇所は? 専門家が解説

公開日: 更新日:

■4割は入院する

 そして病院に運ばれた人のなかで、約4割が中等症以上、つまり入院を必要とするほどのケガをしています。また、転倒した人のうち、3人に2人は何らかのケガを、5%が骨折をするといわれているので、単純計算すると、1分間に1人以上が骨折していることになります。

 特に骨折しやすいのは、次の4箇所です。手首(橈骨遠位端骨折)、背骨(圧迫骨折)、うでの付け根(上腕骨骨折)、そして一番多いのが、太ももの付け根(大腿骨骨折)です。例えば、太ももの付け根の骨折は、横向きにドンッと倒れて、おしりや太ももの外側を強く打ったときに起こります。治療には手術と数カ月単位の入院、リハビリが必要で、1年後の死亡率はなんと10%から20%……。「大腿骨を折ると、退院できても歩けなくなる」というのは有名な話です。

 でも……問題は、そのあとです。

 寝たきりは、ある日突然スイッチが入るものではありません。この骨折から、じわじわと始まっていくのです。骨折をしたり、転んで体のどこかが痛かったりすると、しばらく安静にしますよね。

 でも、その間に体はびっくりするほど早く弱ります。筋肉は動かさないと、1日1〜3%のペースで落ちるといわれています。2週間で2割、1カ月で3〜5割。数字だけではピンとこないかもしれませんが、これはたった2週間で20年分も老化するようなすごいスピードです。

 動かない生活が続くと、弱るのは筋肉だけではありません。心臓も、肺も、体力そのものも、少しずつ落ちていきます。

 動けない → 体が衰える → もっと動けなくなる

 この流れの先にあるのが、「寝たきり」なんです。そして、寝たきりになると、認知症も一気に進むことがわかっています。これは体を動かさない、人に会わない時間が長くなると、脳への刺激も減ってしまうせいです。

 さらに、一度転んだ人のうち、6割が1年以内にまた転んでしまうというデータがあります。つまり転倒が癖になってしまうんです。これらが、ぼくがみなさんに転倒予防をしてほしいと思う理由です。そして、そうならないための「5ミリの壁体操」は本書で紹介しています。

▽福嶋尊(ふくしま・たける) 整骨院を17年経営する柔道整復師。累計患者3万人以上、俳優やプロ野球選手らも通院。ラジオ各局で約200番組に出演、冠番組も担当。朝活主催10年.100回超、SNSフォロワー10万人以上。挫折経験を経て「すぐゆるストレッチ」を開発し、現在は、「ストレッチ」で自己管理、「ストレッチ」でコミュニケーションなどのテーマで講演活動をしている。

  ◇  ◇  ◇

 登山の遭難も高齢者が多い?関連記事【こちらも読む】新緑の季節到来でGWは登山したいけど…心得たい中高年の遭難事故が相次ぐ3つの背景…もあわせて読みたい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希をヤンキースが強奪へ…大谷翔平&山本由伸を奪われた名門が企んだ雪辱戦

  2. 2

    ゾンビたばこ広島に黒田博樹監督待望論 「打てない、守れない、人気ない」三重苦で新井監督はクビ不可避

  3. 3

    佐々木朗希また抹消…中6日も守れない“ひ弱な怪物”をそれでも全30球団が欲しがったワケ

  4. 4

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 5

    小園はセーフ? 広島「矢野だけ抹消」にファン激怒! “ゾンビたばこ”騒動で不可解な線引き

  1. 6

    やっぱり副首都法案は「大阪ありき」“クセ強”野党議員の追及に維新まともに答えられずポンコツ露呈

  2. 7

    核議論に「タブーなく」で物議…小泉進次郎防衛相が“覚醒キャラ”で危険発言を連発する狙い

  3. 8

    高市首相が追い込まれ「陳述書」提出で墓穴…中傷動画&サナエトークン両疑惑が蒸し返される大誤算

  4. 9

    AKIRA版はなかったことに? 反町隆史GTO放送開始で荒ぶる「2012年派」

  5. 10

    内田有紀の「老眼鏡姿」に称賛の声 次は「グレーヘア」でさらなる進化の予感