単なる運動不足ではない! 糖尿病の人の足腰が弱るメカニズム
また、糖尿病、特に糖尿病性末梢神経障害がある人では、立っているときの体の揺れが大きくなることがある。その一因として、足趾で地面を捉える力の低下も考えられる。糖尿病患者を対象に、足の親指で地面をつかむ力とバランスの関係を調べた研究では、その力が強いほど体の揺れが少ないことが報告されている。
さらに、耳の奥の内耳には、音を聞く蝸牛だけでなく、体の傾きや頭の動きを感じ取る前庭器官がある。米国の大規模調査「NHANES」のデータを使った研究では、糖尿病患者では前庭機能障害が多くみられ、前庭機能障害を伴う糖尿病患者では転倒との関連が報告されている。
「糖尿病では、末梢神経障害や筋力低下だけでなく、内耳の前庭系を含む平衡機能にも影響が及ぶ可能性があります。こうした問題が重なることでバランス能力が低下し、転倒につながる可能性があります」
糖尿病神経障害が進むと、足のしびれや感覚の鈍さも生じる。足の裏の感覚が低下すればバランスを取りにくくなり、転倒の危険も高まる。動脈硬化が進んで足の血流が悪くなれば、痛みや疲れやすさから外出や運動を避けるようになる。


















