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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

すい臓がんの84歳女性「遊んでいる子供たちの姿から元気をもらえる」

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「たまに会う息子が私をハグして帰るの」とおっしゃる旦那さんと2人暮らし女性、リビングのTVで野球観戦をすることが楽しみだとおっしゃる1人暮らしの男性、また「庭のスズメを観察する」ことや「ペットと一緒に過ごす」など動物との何げない日常のふれあいに喜びを感じていらっしゃる方など、どれもこれも健常者からすれば、何げないごく普通の日常ですが、患者さんにとっては、残された時間を悔いなく豊かに過ごすための宝石のように大切な時間なのです。

「ベランダから公園で遊んでいる子供たちを眺めるのが好きなの」と話された、すい臓がん末期の84歳の女性の患者さんがいらっしゃいました。「子供の元気をもらえるような気がする。私の分までたくさん動いて健康に生きてほしい」と、健康の大切さや生きることへの率直な思いを語られていたことが印象的でした。

 昨今、公園で遊ぶ子供たちがうるさいと嫌う方のために、公園での遊びを禁止する自治体があると話題になっていますが、その方の人生において大切にしている日常生活におけるこだわりは、置かれた環境や境遇によって、大きく違うものなのだということを考えさせられます。

 ですが残された時間を自宅という限られた環境の中で過ごしていらっしゃる患者さんと会話を重ね、その思いに寄り添うことは、この先も変わることのない、我々在宅医療スタッフにとっても大切な日常なのです。 (火曜掲載)

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