著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「カリウム」は多すぎても少なすぎてもいけない…バランスが大切

公開日: 更新日:

 カリウムは海藻類や野菜、果物、肉・魚介類などに多く含まれており、通常われわれは食事から摂取しています。一方で、体の外には主に腎臓を介して尿中に排泄されます。カリウムを取ると血圧が下がるのは、カリウムの効果で尿中に多くのナトリウムと水が排泄され、血液のボリュームが減少することに由来しています。

 こう聞くと、なんだかカリウムをたくさん取ったほうが体に良い感じがします。実際、腎臓の機能が問題ない方は、ある程度カリウムをたくさん取っても、尿から体外に排泄されるのであまり問題はありません。しかし、高齢者のように腎臓の機能が低下している場合にはカリウムの排泄能力も低下するため、注意が必要です。

 ただし、逆に体内のカリウムが少なくなりすぎることも問題です。ここからは、体内のカリウムが少なくなりすぎたとき、多くなりすぎたときに起こりうることについて説明します。

 体内のカリウムバランスに異常が起こると、さまざまな症状が出現します。「低カリウム血症」では、筋力低下、筋肉の痙攣、筋肉痛、不整脈、悪心・嘔吐などが起こります。逆に「高カリウム血症」では、しびれ、脱力感、不整脈、悪心・嘔吐などが起こります。

 ここで注目していただきたいのは、低カリウム血症と高カリウム血症、いずれも筋肉に起因する症状が多いという点です。次回、詳しくお話しします。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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