長寿研究のいまを知る 番外編(3)「この食べ物がいい」の常識が変わる
別の研究では、地中海食にカロリー制限と運動を加えると相乗効果が表れ、糖尿病の発症リスクが31%減少し、肥満が改善したことを報告している。
「プレシジョン栄養学は各人の食事による反応を予測して食事を最適化する学問ですが、関わるデータが膨大であることが問題です。食事の内容は数千から数万種類あり、遺伝子だけで数万、腸内細菌もわかっているだけで数百から数千ある。これに自律神経、睡眠や運動などのデータも加えるとさらに膨大となり、ビッグデータの効率的な活用、スーパーコンピューターやAIの活用が不可欠になります。いまでは腸内環境や代謝をコンピューター上で再現する『デジタルツイン』の研究も始まっており、食事と代謝の関係を仮想空間で検証する試みも進んでいます」
将来的には、個人の体質に最適化された食事案がスマホで受けられる可能性が非常に高い。すでに糖尿病予防や肥満対策では実用化が始まりつつあり、「何を食べるべきか」は“万人共通”から“個人別”へと転換しようとしているのだ。


















