はびこるアスリートの犯罪に拍車かける国と大メディアの罪

公開日: 更新日:

「前回の東京五輪昭和39年)が行われた頃、10代で多額の収入を得ることができたのはプロ野球選手ぐらいでした。今は水泳卓球バドミントンなどのアマチュアスポーツでも国際大会ではけっこうな賞金が出る。リオ五輪のカヌー・スラローム(男子カナディアンシングル)で銅メダルをとった羽根田卓也選手のように、トップ選手になればスポンサーもつき、マスコミにも引っ張りダコです。全選手がそうだとは言わないが、若いうちから人気と多額の収入を得れば、『自分は特別な人間。自分だけは大目に見てもらえる』という意識を持ってもおかしくない。それが誤った行動につながるのです」

 年齢にかかわらず、精神的に未熟な人間はどこの世界にもいるが、スポーツ選手の場合は、マスコミの「飯のタネ」にされて自分を見失う者が多い。

 前出の工藤氏が言う。

「選手の実力を冷静に分析すればメダルの可能性はほとんどなくても、五輪の直前は、スポーツマスコミによって誰もかれもがメダル候補になる。東京五輪では、それがさらにひどくなるでしょう。実際にメダルを獲得すると、国の英雄になったように過度に持ち上げられる。苦しい練習に耐え、メダルを取るのは立派ですが、一方で、五輪前後の過熱報道により、勘違いする選手が続出することが懸念されます」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    センバツ人気低迷の真犯人!「スタンドガラガラ」なのは低反発バット導入のせいじゃない

    センバツ人気低迷の真犯人!「スタンドガラガラ」なのは低反発バット導入のせいじゃない

  2. 2
    三田寛子ついに堪忍袋の緒が切れた中村芝翫“4度目不倫”に「故・中村勘三郎さん超え」の声も

    三田寛子ついに堪忍袋の緒が切れた中村芝翫“4度目不倫”に「故・中村勘三郎さん超え」の声も

  3. 3
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  4. 4
    (6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ

    (6)「パンツを脱いできなさい」デビュー当時の志穂美悦子に指示したワケ

  5. 5
    夏の甲子園「朝夕2部制」導入の裏で…関係者が「京セラドーム併用」を絶対に避けたい理由

    夏の甲子園「朝夕2部制」導入の裏で…関係者が「京セラドーム併用」を絶対に避けたい理由

  1. 6
    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  2. 7
    マイナ保険証“洗脳計画”GWに政府ゴリ押し 厚労相「利用率にかかわらず廃止」発言は大炎上

    マイナ保険証“洗脳計画”GWに政府ゴリ押し 厚労相「利用率にかかわらず廃止」発言は大炎上

  3. 8
    「大谷は食い物にされているのでは」…水原容疑者の暴走許したバレロ代理人は批判殺到で火だるまに

    「大谷は食い物にされているのでは」…水原容疑者の暴走許したバレロ代理人は批判殺到で火だるまに

  4. 9
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  5. 10
    大谷は口座を3年放置のだらしなさ…悲劇を招いた「野球さえ上手ければ尊敬される」風潮

    大谷は口座を3年放置のだらしなさ…悲劇を招いた「野球さえ上手ければ尊敬される」風潮