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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がんの2040年問題…外科医不足で地元で手術か受けられなくなる

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 そうすると、患者は地域の病院での手術を希望しても、中核病院をはじめ別の病院を探したり、手術が受けられるまで数カ月待機したりしなければいけません。英国やカナダでの数カ月待機が人ごとではなくなる可能性があるのです。

 がん治療の2040年問題で外科医は不足しますが、放射線科医は同4割増で放射線治療の需要を満たすと予測されています。がんの3大治療のうち、根治を期待できるのは手術と放射線ですから、放射線科医が十分なら手術ではなく、放射線で。そう考えるかもしれませんが、それが可能な地域も限られると思います。

 放射線装置は多くが海外製で、円安の影響で導入費用が倍増。新潟の佐渡総合病院は今年3月で放射線治療を終了しました。老朽化した装置の更新費用の5億円を負担しきれないためです。

 装置の導入費や維持費に加え、医師の偏在も加味すると、放射線治療も患者の通院がネックになることが予想されます。そこで照射回数が少なくて済む、高精度放射線治療が有望です。たとえば前立腺がんの放射線治療は、従来の装置では40回かかりますが、最新のMRリニアックを用いる東北大は2回で行っています。

 2040年問題をめぐっては放射線治療の集約化も進むため、放射線治療を受ける施設の選択も重要です。

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